院長コラム
Vol.3
手指のしびれ
手指がしびれるという症状を経験したことはありませんか?手指のしびれの原因には様々なものがあります。高齢になると頚椎(首の骨)の変形が生じてきて神経を圧迫し、手指のしびれをきたすことが多くありますが、首のせいだと思ってずっと首の牽引や電気治療を続けてきたが全然よくならないという患者様の中に、絞扼性(こうやくせい)神経障害という神経の圧迫による病気が潜んでいることがよくあります。
神経が絞扼(圧迫)される部位は手首と肘が多く、主に人差し指や中指がしびれるときには手首での圧迫が多く、手根管症候群と呼ばれます。また主に小指側がしびれるときは肘での圧迫が多く、肘部管症候群とよばれます。治療せず放置しておくと、手の筋肉がやせて細かい動作がしづらくなることがあります。診断を確定するには神経学的所見とX線検査に加えて筋電図検査が必要です。
絞扼性神経障害は首の牽引や電気治療で改善することは通常なく、初期には投薬治療、装具療法、腱鞘内注射などの保存療法が有効ですが、進行期から末期になると手術が必要となることがあります。早めに整形外科専門医を受診されることをお勧めします。