院長コラム
Vol.4
変形性膝関節症
立ち上がるときや歩きはじめに膝が痛い、正座や階段昇降時に膝が痛む、といった症状がある方、変形性膝関節症が疑われます。関節の軟骨が様々な要因によって摩耗し、炎症が生じ痛みの原因となります。この病気は女性に多く(男女比1:4)、肥満や高齢になるほど罹患率が増します。炎症が強いと水がたまることもあります。病状が進行すると安静時にも痛みがとれず、変形が目立ち、歩行が困難になります。初期から進行期の変形性膝関節症の治療方法には投薬やヒアルロン酸の関節内注射がありますが、いずれも痛みをとるための治療法で、すり減った軟骨が再生されるわけではありません。末期になるとこれらの治療法も効果がなくなり、手術が必要となることもありますので、そのような状態に陥らないような対応策が必要です。
それには膝関節に対する負担を軽減することが重要です。標準体重を大幅に上回っている方は減量により関節負荷が軽減し、痛みが改善します。太っていなくても太ももの前の筋肉の力が低下している人では膝関節への負担が増しますので、この筋肉を鍛えることは有効です。また、正座を避ける、洋式の生活をする、膝を冷やさず温めて血行を良くするなどの注意が必要です。このような注意をしていても痛みが続く方は専門医にご相談ください。